アンソニー・デイビスのレイカーズ移籍を振り返る

念願のレイカーズ入りがかなったアンソニー・デイビス（AD）の移籍に関して振り返ってみましょう

昨年の冬ごろADはレイカーズやクリッパーズといった大都市でプレイしたいのではないかという報道が出ます。ADがプレイしていたニューオーリンズは人口約40万人でロサンゼルスのわずか1/10。人口の差で言えば東京に対する秋田（よりもうすこし下）のような感じ。

リーグ屈指のビッグマンと評価されながら小規模な地域と優勝を目指すこともできないチームで6年もプレイしたことを思えば大都市でプレイしたいと考えても不思議ではありません。

そんななかADはチームとの交渉を行う代理人をレブロン・ジェームズと同じリッチポールに変更。ここから移籍報道が加熱します。

ADはESPNに対して「リーグで最も支配力があるプレイヤーになること、そしてチームの勝利に貢献すること」と答え、「ペリカンになるためにここにいる。チームが前進し、優勝を勝ち取るために貢献する」ともコメント。ペリカンズのファンは安堵しましたが、その後、年末にレブロンとディナーを共にし、1月にトレードを要求します。

ものすごく速い心変わりにペリカンズだけでなくすべてのNBAファンがショックを受けたはず。ADには優等生のイメージがあったのでなおさらです。

しかし、ペリカンズはADの高速心変わりに関してレブロンとの会食が影響したのではないかとレイカーズに不審を抱きます。それでもレイカーズはADを獲得するためにペリカンズと交渉していたようですが、ペリカンズは徹底的に拒否。ADの要求を結果的に聞き入れず、怪我をされて市場価値が下がっても困るのでプレイタイムを大幅に減らしてタンク突入。そのままシーズンが終了します。

奇跡が起きたのはドラフトロッタリーです。今年から抽選確率が変更され、おおざっぱに言えば弱いチームは上位指名権を取ることが難しくなり、逆にそこそこ弱いチームが上位指名権を取りやすくなりました。その結果、ワーストチームに比べて当選確率が1/2以下のペリカンズが1位指名権を獲得。レイカーズも4位指名権を引き当てます。

ペリカンズは飛び抜けた身体能力を持つザイオン・ウィリアムソンの獲得を確実なものにしました。レブロン以来の逸材とも言われるザイオン。ADがいなくなってもそれなりに集客ができるザイオンの獲得はトレードの実現に大きく影響しました。ADもザイオンに感謝していることでしょう。